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《解説》
海岸施設のバリアフリー化を推進することは極めて重要な社会的課題であるが、施設や装置、機器等のハードがいくら立派に整備されても、それに対応するソフトが十分に整備されていなければシステムとして機能しない。特に、一般の利用者の社会規範であるモラルと責任が曖昧であるならば、バリアフリー整備の理念が失われることになる。利用者モラルを喚起し徹底するためにも、地域ぐるみの教育、啓蒙活動が実施されなければならないであろう。実際、障害者用のトイレや駐車場が整備されていても、健常者がそれを占有利用したり、無意識に利用することによって、障害者や高齢者が利用できないという不利益が生じる。さらに、管理者の理解不足から、そのような利便施設が施錠されていたり、管理者に届けて許可を得なければ利用できないという不自由さも発生しているのが現状である。
このような問題を解決するためにも、海岸管理者の理解、利用者の理解等と併せて、地域の人々の理解やボランティア組織やその受け入れのあり方についても、今後十分に検討しなければならないであろう。

 

 

 

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